18.タイ
1.報道内容に対する監視機構と罰則規定等について
公共放送サービス法(Public Broadcasting Service Act,B.E.2551 (2008))の第43条でラジオ局またはテレビ局による放送について、一般市民に影響を与える情報は正確で迅速である必要があり、プライムタイムに放送される場合はそれらについて特に留意することや、公的問題等に対する議論や意見に関しては、様々な社会的視点や正確なデータを元に多様な意見とバランスの取れた分析を行う必要があると記されている。
また、無線周波数の割当及びラジオ・テレビ放送・電気通信サービスの規制機関に関する法律(Act on Organization to Assign Radio Frequency and to Regulate the Broadcasting and Telecommunications Services B.E. 2553 (2010))第27条に健全な放送と反競争的行為または不正競争防止のための措置を執ることや、人々の権利と自由、及びプライバシーとコミュニケーションの自由の保護の促進等が明記されている。
また、同第44条で業務上の条件を遵守しなかった場合や、同第27条に定める禁止行為行った場合は国家放送通信委員会(NationalBroadcasting and Telecommunications Commission NBTC)により是正措置や免許取り消し等の命令が出されることが定められ。また、放送機関に対し同第31条に示す過度の利益を生むような方法でネットワーク又は広告を使用した場合、又は特定の方法で消費者に対し不公正な扱いを行った場合は国家放送通信委員会(NBTC)により当該行為の中止命令措置が為されるが、この措置に従わない場合は同第77条により国家放送通信委員会(NBTC) により500万THB(約1700万円)以下の罰金及び1日当たり10万THB(約35万円)以下の罰金が科される。
2. クロスメディアオーナーシップ等の報道機関の一定地域における情報提供の占有や支配に関する各種規制について
無線周波数の割当及びラジオ・テレビ放送・電気通信サービスの規制機関に関する法律の第27条の国家放送通信委員会(NBTC) の権限と義務の中に、国民の情報を知る権利を妨げる、或いは情報の多様性を阻害するような影響のある報道機関の市場占有や、それらを引き起こす可能性のある合併や所有権の保持等に関する規制が明記されている。
・外資規制について
電気通信事業に関する外国資本の決議権は、直接投資・間接投資のいずれも49.9%を上限とすることが定められている。
無線周波数の割当及びラジオ・テレビ放送・電気通信サービスの規制機関に関する法律(Act on Organization to Assign Radio Frequency and to Regulate the Broadcasting and Telecommunications Services B.E. 2553 (2010)) の詳細は以下のWebサイトを参照
https://broadcast.nbtc.go.th/data/document/law/doc/th/560400000024.pdf
3. 電波オークション制度について
国家放送通信委員会(NBTC)によりディジタル放送チャンネルオークションと移動通信体用周波数帯のオークションが実施されている。
・オークション等実施例
・2013年に実施されたディジタル放送チャンネルオークションでは、HDTVバラエティー7チャンネル、SDTVバラエティー7チャンネル、報道7チャンネル、教育3チャンネルの合計24チャンネルの放送免許オークションが行われ、合計508億6000万THB(約1800億円)
で落札された。
・2012年に2.1GHz帯の帯域2×15MHzの9枠に対し通信事業者3社により総額416.25億THB (約1400億円)で落札された。
・2015年に1800MHz帯の4G通信用の帯域2×15MHzの2枠に対し通信事業者4社により入札されたが、2社が総額808.8億THB(約2800億円)で落札された。免許期間は18年間で、人口カバレッジは2年以内に50%、4年以内に80%が義務付けられ、更に現行の3G料金よ
りも安くサービスを提供する義務がある。
・2015年に900MHz帯の4G通信用の帯域2×10MHzの2枠に対し通信事業者4社により入札され、2社が総額1,519.52億THB(約5200億円)で落札された。
カバレッジ義務が課せられた1800MHz帯オークションの詳細は以下のWebサイトを参照
4. 電波使用料等について
無線周波数の割当及びラジオ・テレビ放送・電気通信サービスの規制機関に関する法律の第41条により、スペクトル管理料と事業ライセンス料に分かれている。事業ライセンス料は放送業務法に基づくライセンスの種類によって異なる。スベクトル管理料は、帯域幅と、周波数帯、使用目的と最低料金から数式で毎年算出される。事業ライセンス料は事業収入の2%を目安に、スペクトル利用および事業運営の規制費用を考慮、して、NBTCによって規定される。
5. その他資料等
・監査機関等
国家放送通信委員会(NBTC)が放送やインターネット等も含め、電気通信の各種技術基準及びコンテンツ基準等の各種基準策定・監督・放送免許・紛争解決、反競争行為の防止と消費者保護等、電気通信に関わる全てのことを統括して管理する。
(※リンク先が調査時(2017~2018年)から変更になっている場合は、各機関のHPルートに接続します)
※参考資料放送・テレビ事業委員会パフォーマンスレポート2016年は以下のWebサイトを参照
世界主要国の通信放送等に関する調査報告書 27
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