■モラル低下メディア
■ニュースタイトル
■ニュース掲載・報道日
2021年4月14日
■フェイク箇所
政府は、東京電力福島第一原発事故で発生した放射能処理水を海洋放出することを決めた。風評被害を恐れる漁業者、健康被害を疑う市民。不信と不安を残したままで、海に流すべきではない。
「汚染水」とは、溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷やし続ける冷却水と、建屋に流れ込む地下水が混じり合ったもの。特殊な装置を使い、汚染水から放射性物質の多くを除去したものが「処理水」だが、水素とよく似たトリチウムという物質は、現在の技術では取り除くことが不可能だ。
トリチウムは放射線の力が弱く、海外でも海洋放出の実績があり、希釈して徐々に流していけば、人体に影響は出ないだろうというのが政府の考え方である。
汚染水は今も一日百四十トンずつ増え続け、福島第一原発の敷地内には、約千基のタンクが密集状態になっており、廃炉作業の妨げになっていると東電は主張する。
最大の課題は、漁業者が受ける風評被害対策だ。共同通信が岩手、宮城、福島三県の首長を対象に実施したアンケートでは、約九割が風評被害に懸念を感じている。
3・11から十年。福島県では魚介類の安全性が確認されて、三月末に試験操業期間が終わり、ようやく本格操業への移行にかかったばかりのタイミング。「築城十年、落城一日。今なぜ、この時期に」と漁業者は嘆き、憤る。その心中は察するにあまりある。
「風評という課題に対して、できることを全力でやる」と小泉進次郎環境相は言う。しかし、具体策は示していない。政府や東電に対する根強い不信が、漁業者や沿岸住民の不安を助長する。
かつて安倍晋三首相(当時)は国会で「汚染水は海に流さないよう努力する」と述べていた。
東電は、処理水中にトリチウム以外の放射性物質が基準を超えて残留していた事実について、説明不足だったことがある。柏崎刈羽原発のずさんな管理を見ても不安は募る。
海洋放出は最善の策ではない。しかし、貯蔵タンクを無限に増やし続けるわけにはいかないというのも事実である。
海に流す以外に、どうしても手だてがない、人体に影響は出ないと言うのなら、厳重な監視と情報公開の体制を整え、正確なデータをわかりやすく示し、漁業者や消費者、沿岸住民などの不信と不安を“除去”してからだ。
見切り発車は許されない。
■フェイクとする根拠・指摘等
「処理水放出」報道では、存在しない「ALPS処理水タンクに繋がった既存の放水口」を掲載して、風評を故意に流した東京新聞。
韓国が排出しているのは、福島「処理水」の130倍。福島原発の「処理水」に含まれるトリチウムでさえ「危険だ」というなら、「韓国旅行は福島の130倍の被曝の危険性があるから止めるべき」とキチンと報じるべきだろう。
「風評被害を恐れる漁業者、健康被害を疑う市民。」とあるが、本来なら「正しい科学知識で読者を啓蒙して風評被害を抑え、健康に対する不安を軽減する」ように啓発するのが、公器たる報道機関の役目の筈。東京新聞は、きったく逆に「住民の不安を掻き立て風評を煽っている」プロパガンダ機関誌に過ぎない。
「汚染水」と「処理水」の違い
■検証記事
---------------------------- 産経新聞 2019.12.28
「福島第1原発から排出されている水に含まれる放射性物質の量は韓国の原発の排水の100分の1以下だ」
■検証記事
---------------------- 中央日報 2019.12.29
産経は日本政府の関連小委員会資料を引用し、「2016年のサブドレンからのトリチウム排出量は年間約1300億ベクレル。一方で韓国の主要原発である月城(ウォルソン)原発が16年に液体放出したトリチウムの量が約17兆ベクレルで、約130倍だった」とした。
安倍首相が会談で念頭に置いたのは、このデータ比較だったとみられる。
産経は「福島第1原発の周辺海域や外洋の状況をめぐっては、国際原子力機関(IAEA)が『放射性物質濃度は上昇しておらず、世界保健機関(WHO)の飲料水ガイドラインの範囲内にある』と評価している」と主張した。
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