テレビ朝日「今でも少年法は十分厳しい」

■ニュースメディア

ANN(テレビ朝日)

 

■ニュースタイトル

ABEMAニュース

少年犯罪の厳罰化は進めるべき?

 

■ニュース掲載・報道日

2021年1月29日

 

 

■フェイク箇所

 去年10月には法務省の審議会が少年法の改正要綱を上川法相(当時)に答申。その中には18歳、19歳の被疑者による強制性交や強盗なども刑事処分の対象とするほか、起訴された段階で実名報道ができるという内容も盛り込まれている。一方、3年以上にわたり検討が続けられているのが、少年法の対象年齢を現行の18歳未満に引き下げようという改正案だ。

 そんな中、大津地方裁判所は25日、通行中の女子高校生4人に対する強制性交などの罪に問われていた元大学生(20)に対し、懲役5年6カ月の有罪判決を言い渡した。問題になっているのは、罪に対する被告の認識だ。朝日新聞によれば、裁判の中で検察側は「(少年法の対象となる)未成年のうちにレイプをいっぱいして、20歳になったらやめようと思っていた」と供述していたと指摘。計画的な犯行だと非難していた。

 

EXITりんたろー

罪を重くしたところであまり意味はないと思う。ただ、名前は報じるべきだと思う。」

水谷修氏

「人間は3つの要素で決まると言われている。遺伝、環境、そして学習だ。例えば貧しさによって中途半端にしか学習ができておらず、未熟な人間だからこそ罪を犯す。そこは守っていこうというのが少年法の意味だ。(中略) 少年は少年だ。罪は憎い、でも人は憎くない。僕は教員でもあるし、未完成の人間は守って、やり直しができるようにしなければならない。世界的にみれば、日本の少年法は現行のものでもすでに十分厳しい

 

(ABEMA TIMES 2021.1.29より引用)

 

 

 

■フェイク理由・ソースURL・その他

 凶悪少年犯罪の再犯についてまったく触れずに、再犯(再非行)の被害についての言及が一切無い。例えば、綾瀬女子校生コンクリート詰め殺人事件で起訴された加害少年4名の内、3名が再犯し、うち1名は脅迫監禁、1名に至っては殺人未遂である。

 強盗・恐喝の再非行少年率が6割を超えている事実を伝え、その上で「犯罪少年の更生」について議論するならともかく、再犯率の高さを隠して「犯罪厳罰化が更生を妨げる」論をぶちまけるのは放送法第四条違反である。

 放送法の「事実を曲げないで報じること」に従えば、「『再犯で被害者は出るかも知れないが、犯罪少年の更生のために我慢しろ』という少年法厳罰化反対の意見がある」と報じるべきだろう。


凶悪犯罪の再犯率

■検証記事
---------------------------  令和2年犯罪白書 再犯再非行

■検証記事
----------------------- 日本刑事政策研究所 犯罪白書

平成23 年版犯罪白書

■検証記事
---------------------- デイリー新潮  2020.10.23


凶悪な少年犯罪・女子校生コンクリート事件詰め殺人

の犯罪少年は再犯率75%

■検証記事
--------------------------  NEWSポストセブン 2018.8.30

■検証記事
-----------------------  中日新聞 朝刊 1989.4.1

体重わずか35キロに 順子さん遺体解剖

食物与えずに監禁 女高生殺害コンクリ詰め

 東京都足立区の無職少年の不良グループが女子高校生を監禁、リンチ殺害したうえ、ドラム缶にコンクリート詰めにして捨てた事件で、警視庁少年二課と綾瀬署は三十一日、被害者の埼玉県三郷市高州一丁目、会社員吉田昇さん(48)の長女で県

立八潮南高三年、頂子さん=当時(17)の遺体を解剖した。その結果、死因は外傷性ショックで、順子さんの胃の中にはほとんど内容物もなく、死亡直前の監禁時にはジュースや果物類程度の食物しか与えられていなかったとみられる。遺体の体重は三五キ口前後しかなく、行方不明時の五一キロに比べて七割程度に減り、衰弱の激しさを表していた。

■検証記事
--------------------------  NEWSポストセブン 2018.9.1

※ 番組中で「そういう子どもを育ててしまったという償いをさせるため、親の厳罰化をして欲しい」という意見がでていましたね。綾瀬の監禁陵辱殺人では、加害者宅が監禁場所として犯行に使われましたが、この監禁場所に住んでいた加害者の親もまったく罪に問われませんでした。というより、当時「親の罪」を問う報道が大手メディアでなされていません。

■参考記事

----------------------  朝日新聞 朝刊 1989.4.4

女高生殺人に数々の疑問監禁された経緯は?

 卒業を控えた女子高校生が40日間の監禁の末に殺された事件は、捜査が進むにつれ、数々の疑問点が浮かんでいる。

(中略)

 また、監禁した少年の両親は、少なくとも12月下旬lこ1度、Aさんと少年をまじえて食事をした際、「帰りなさい」と諭したというが、これが事実なら、なぜその時に助けを求めなかったのか。

 被害者が40日間に渡って監禁されていたのは、日本共産党系の診療所事務局長(母親は主任看護婦)の住む少年Cの自宅でした。被害者が殺害されたのは翌1月3日、中日新聞の記事から12月下旬には相当衰弱していたことが分かりますが、医療従事者が衰弱しきった少女の様子に気がつかないことがあるでしょうか?

 朝日新聞は、暴行され心を折られて監禁されている少女を「なぜ助けを求めなかったのか?」と責めるより、医療従事者である犯罪少年の親に「なぜ救急車や警察を呼ばなかったのか?」と疑問を投げかけるのが普通ではないでしょうか?

 

 公判廷で「12月下旬から新年にかけて水しか与えられず、自力で立ち上がることも出来ないくらいに衰弱していた」と明らかにされていますが、その少女を見て「『帰りなさい』と諭した」だけで、救急車も警察も呼んでいない。

 なぜ、警察に介入させなかったのでしょう?

 医療従事者である親が、警察や救急車を呼んでいれば、被害者の命は間違いなく助かったのです。両親が20年も所属していた日本共産党に反警察感情があったとしても、医療倫理に基づけばせめて救急車は呼べたはずです。しかし、加害少年の両親は、40日余の監禁強姦暴力で死んでいく罪もない少女を見捨てました。古参の共産党員にとって、党利党略は人命に優先すべきものなのでしょう。

 

 朝日新聞や毎日新聞など大手全国紙やテレビ報道が、いっさい監禁宅の両親の罪をウヤムヤにし、法廷でも罪を問われることが無かった事実が、報道による思想誘導の怖さを表していると考えます。


被害者と再犯に焦点を当てた関連書籍

■参考図書

Amazon 書評:  「少年A」被害者遺族の慟哭

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Amazon 書評:  死刑絶対肯定論  無期懲役囚の主張