13.イタリア
1.報道内容に対する監視機構と罰則規定等について
1997年放送通信改革法(Maccanic法)第249条(電気通信とラジオ及びテレビシステムに関する通信の保障と規則の権限)を根拠に設立された通信規制庁(Autoritaper le Garanzie nelle COMunicazioni AGCOM)により、イタリア共和国憲法第21条(個人基本的人権の保
護や表現の自由等)順守を原則として、番組品質とコンテンツの監視、それらの自由及び政治的・社会的・文化的・宗教的な扱いの平等と異なる意見への開放性、即ち情報の多様性と多元性の確保等が十分になされているかどうかについての監視が行われている。特に、未成年者保護について政令で細かく定められており、18歳以上指定の映画等の放送禁止や、14歳以上制限のものも放送時聞が制限されているほか、インターネットも含む有害コンテンツから未成年者を保護している。また、広告の規制や公正な競争と不公平な行為の禁止等も含む広い消費者保護に関しては競争市場保護委員会(AntoritaGarante per la Concorrenza e del Merecato AGCM)が監督している。
広告規制に関しては、政令により、煙草の広告は全面禁止、アルコールの広告も制限されているほか、放送時間に対する広告の時間割合の上限が定められている。
なお、イタリアの通信規制庁(AGCOM)は通信免許の許認可条件の決定や放送内容の監督以外にも、必要に応じ議会及び政府に立法措置等の介入の進言を行う機能がある。また、イタリアは過去にEUの欧州視聴覚メディアサービス指令(Audiovisual Media Service Directive AVMSD)違反で欧州委員会から数度にわたり告発されている。
欧州視聴覚メディアサービス指令(Audiovisual Media Service Directive AVMSD) は以下のWebサイトを参照
https://ec.europa.eu/digital-single-market/en/policies/audiovisual-media-services
2. 監査機関と管理体制について
・経済発展省(Ministero dello sviluppo economico)
電気通信事業者に対する規制監督や、周波数割り当ての決定、通信事業者に対する許認可等を管轄する。
・ 通信規制庁(AGCOM)
より実務的な内容を行うための独立規制機関。ネットワークも含む電気通信と出版やメディア、及び郵便に対する規制と保護、通信に関しては周波数割り当て計画の作成、電気通信の保安全般等が行われる。また、メディアに関する多元性の保護も行う。
・競争市場保護委員会(AGCM)
公正な競争と健全な市場形成、特に電気通信に関しては広告の規制等を行う。
・欧州経済地域(European Economic Area EEA) 協定の放送指令に基づく規制
EU加盟28ヶ国及びスイスを除く欧州自由貿易連合(European Free Trade Association EFTA) 加盟国は、放送事業者も放送・視聴覚サービス法第2条9の規定により欧州経済地域(EEA) 協定の放送指令に基づく規制を遵守する義務を有する。欧州経済地域(EEA) による規制は、国内法や国内規制等により妨げられない。
参考資料:イタリア共和国 通信レポート(総務省)
http://www.soumu.go.jp/g-ict/country/italy/pdf/039.pdf
参考資料:イタリア共和国 競争市場保護委員会と競争法第10条(公正取引委員会)
https://www.jftc.go.jp/kokusai/worldcom/kakkoku/abc/allabc/i/italy.html
3. メディア集中排除規制等について
メディア集中排除規制によりマスコミュニケーション分野全体の20%以上の支配が禁止されている。また、地上ディジタル放送に対し単一事業者の放送番組全体のシェア制限も設けられている。なお、2011年からテレビ事業者の新聞事業参入が許可された。
(※リンク先が調査時(2017~2018年)から変更になっている場合は、各機関のHPルートに接続します)
世界主要国の公共放送を中心とした監視機構と罰則抜粋 14
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