12.スペイン
1.報道内容に対する監視機構と罰則規定等について
EUの視聴覚サービスの共通規則J(欧州視聴覚メディアサービス指令Audiovisual Media Service Directive AVMSD) に従い、差別的表現や暴力・犯罪等の未成年の健全な発育を阻害する番組等の規制を行っている。
※スペインは、AVMSD違反で欧州委員会から告発されたことがある。
欧州視聴覚メディアサービス指令(Audiovisual Media Service Directive AVMSD) は以下のWebサイトを参照
https://ec.europa.eu/digital-single-market/en/policies/audiovisual-media-services
2. クロスメディアオーナーシップ等の報道機関の一定地域における情報提供の占有や支配に関する各種規制について
直接的にクロスメディアオーナーシップを禁止する条項は存在しないが、EU圏外の国籍を持つものにより放送局の資本の49%を直接または間接的に所持することが禁止されているほか、報道機関に対しても通常のEUの競争法が適用される。
3. 電波オークション制度について
スペインでは、EUと協調しながら周波数帯の再編を行っている。その一環としてオークションが実施されている。また、周波数使用権の譲渡も認められている。
・オークション等実施例
・2011年に800MHz帯/900MHz帯/2.6GHz帯、帯域幅合計270MHzのオークションが実施され通信事業者11社が参加、2.6GHz帯に一部未落札の帯域が出たものの、総落札額183,200万EUR(約2400億円)で落札された。
・2014年に前回未落札の2.6GHz帯の10MHz幅のオークションが実施され、落札額345万EUR (約4億5千万円)で落札された。
4. 電波使用料等について
電波使用料は2001年11月3日法律第32号付属1で規定されている。料金は、電波の利用状況、サービス種別、帯域幅、用いられている技術、サービスの経済的価値等を総合して決定され、産業・エネルギー・観光省の電気通信・情報社会局(Secretaria de Estado de TElecomunicaciones y para la Sociedad de la Informacion SETSI) が管理を行っている。
※他に、スペイン公共放送(Corporacionde Radio y Televison Espanola RTVE)運営の財源として、商業放送業者に対し、広告収入を財源とする無料放送業者には収入の3%、有料放送業者には収入の1.5%の特別税が科せられている。(なお、当初は電気通信事業者にも0.9%の特別税が課せられていたが、電子通信ネットワークに関するEU規則に適合しないため後に廃止された)
5. その他資料等
・監査機関等
エネルギー及び産業全般に関する発展と支援、及び観光の促進は、産業・エネルギー・観光省(Ministeriode Energia,Turismo y Agenda Digital METAD)が行っているが、電波の使用権や免許付与も含む電波管理及び電波利用計画の策定、電波使用料の管理等は下部組織の電気通信・情報社会局(SETSI) が行う。また、占有等の問題に関しては、市場の公平さを監視する国家市場競争委員会(Comision Nacional de los Mercados y la Competencia CNMC) が行う。
(※リンク先が調査時(2017~2018年)から変更になっている場合は、各機関のHPルートに接続します)
世界主要国の通信放送等に関する調査報告書 21
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