「特定秘密保護法」に対する無責任な煽動報道

■ニュースメディア

朝日新聞,東京新聞,毎日新聞など

 

■ニュースタイトル

「特定秘密保護法」に対する無責任な煽動報道

 

■ニュース掲載・報道日

報道自体は2013~2014年のものが多い 

5年目の検証がなされたのが2018年12月6日

 

■フェイク理由・ソースURL・その他

マスコミは特定秘密法案に対して「国民の知る権利が奪われる」「写真を撮っただけで逮捕」と大騒ぎをしてきたが、実際に逮捕者が出たのか?

国民の不安を大げさに煽っただけのフェイクニュースである。報道機関やジャーナリストや弁護士会など社会的影響力の大きい人物や団体による情報発信には、発した情報に責任を持ってもらわねばならない。集中して報道されたのは法律が可決された2013年,法律が施行された2014年が中心だが、5年目の節目として2018年に続報が出ているので一連の報道をまとめて昨年度の「フェイクニュース」としてエントリーしたい。

 

------------------ NHK NEWS WEB(2018.12.6)

菅官房長官は、当時の国会での審議を振り返り、「市民や記者が罪に問われかねないとか、原発事故などに関する情報が国民の目から隠されてしまうおそれがあるなどと懸念されたが、指摘をされたような事案は1件も生じていないのではないか

------------------

同様のファクトに基づかない不安を煽る記事タイトルをまとめと、 

 

テロ等準備罪(共謀罪)で戦争になる! 

特定機密保護法で記念写真撮っただけでタイホ! 

平和安全法制(戦争法案)で戦争になる! 

入管法改正(移民法)で治安崩壊! 

水道民営化で水道料金5倍!        などが挙げられます。

(※ 括弧内は日本共産党やマスコミ等が勝手に命名した法案の別名)

 

特定秘密保護法について、マスコミや弁護士会,著名人などによって流布されたデマを分かり易く纏めたものが次のチラシです。

■記事内容

----------------- 京都新聞(2018.12.6)
秘密保護法5年  国会の監視強化が必要だ

 

 外交や防衛、テロ防止、スパイ防止などで政府が重要とする情報を「特定秘密」に指定し、漏らした人を厳しく罰する特定秘密保護法が成立して12月6日で5年が経過した。

 「何が秘密か、それが秘密」と法制定時から批判され、政府による恣意(しい)的な秘密指定や情報隠しの可能性が指摘されてきたが、その運用実態はやはり極めて不透明な状態だ。

 とりわけ国会に設けられた監視機関が十分に機能しているとは言い難い。国が得た情報は国民のもの、という原点に立ち返り、国会が情報監視の強化に取り組む必要がある。

 法成立5年について菅義偉官房長官は記者会見で「わが国に対する国際的な信用が増し、核心に迫る情報が得られるようになった」と強調し、「市民や記者が罪に問われるとか、原発事故などに関する情報が隠されるというような事案は1件も生じていない」とも語った。

 菅長官はこう説明するが、それが本当かどうかを検証することは難しい。それが秘密保護法制の実態である。

■記事内容

----------------- AERA dot.(2013.12.5)
特定秘密保護法で情報公開請求もアウト?

 

(前略)

「政府は『秘密保護法制は世界各国にある』と説明していますが、日本ほど刑事手続きがデタラメな国は先進国ではありません。勾留期間はフランスが6日間に対し、日本は20日間。しかも取り調べは弁護士の立ち会いもなく、可視化もされていません。こんな状態で秘密保護法案が成立したら、政府に批判的な市民への弾圧がまかり通る恐れは十分にあります」

 成立すると、公安警察が日常的に情報収集をすることが、特定秘密保護法案によって合法化されてしまう。その結果、今まではひそかに行われていた身元調査が、堂々と行われかねないのだ。

「今回の法案の中には、公務員や特定秘密を扱う機関への出入り業者に対する『適性評価』があります。例えば、政府が逮捕したいA氏がいたとします。A氏は公務員でも出入り業者でもないが、彼らと交友関係がある人物としてA氏を調べることができる。また『特定秘密に近い情報の公開請求をし、入手しようとしている』という理由で、情報公開請求をした市民が捜査対象になる危険性もあります」(下地氏)

 

 国策について異論を唱える市民が、「特定秘密保護法案」の処罰対象となりうる時代はすぐ目の前に迫っているのだ。

■記事本文

----------------- News ポストセブン(2013.12.6)
警察官僚のための特定秘密保護法

 公安は笑いが止まらない

 

 

(前略)

特定秘密保護法について、『日本の公安警察』(講談社現代新書)の著者でジャーナリストの青木理さんは「法律の体をなしていない、史上かつてない悪法です」と語る。

(中略)

私たちはその恐るべき影響力をもっと知る必要がある──。特定秘密保護法により、国内の一般市民の自由は著しく制限される。青木さんが語る。

(中略)

「つまり、反原発、反消費税、反TPPなどを他人に主張すれば何でもテロリズムになります。食の安全を守ろうとして、『遺伝子組み替え食品反対』の要望書を農水省に持っていくだけで“テロ活動”とされて、処罰の対象になりかねないのです」(青木さん)

(※ 小学館の運営するニュースサイト)

■記事内容

------------------PRESIDENT Online (2014.8.23)

年内施行が迫る「特定秘密保護法」の本当の脅威

特定秘密保護法で国民を逮捕?

 

原発や米軍基地の取材中、相手との話が次のような展開となった。

《ある人が大手製造メーカーとの仕事の関係で手にした書類は、原発の安全対策に重大な欠陥があることを示すものだった。放っておけば、もしかしたら福島第一原発事故のような巨大災害が起きるかも知れない。そこで、彼は報道関係者を通じてその危険性を一般の人々に広く知らせようとした。「原発事故で放射性物質が拡散すれば人は外部被曝と内部被曝を受け、それは命に関わる危険なものである」という知識は、人類にとって公知のものだからである。

ところが、危険を知らせようとした彼は、いきなり逮捕・起訴され、懲役刑となる。その書類の一部は政府が「秘密」に指定したものだったからだ。しかし、具体的に何がどう秘密なのかも非公開とされているため、本人はそもそも何が違法な行為かさえ知らなかった。ただ、人々に危険を知らせようとしただけである》

(中略)

以上は、いまのところ「架空の話」である。多くの人は、まさか現在の日本でそういう逮捕などあり得ないと思うことだろう。しかし、こうしたケースで国民を逮捕し刑罰を与える法律がすでに法制化され、施行を待つだけとなっている。安倍政権が昨年末の国会で強行採決した「特定秘密保護法」である

 

 

----------------------  Business Journal(2015.7.22)

日本、戦争開始が容易に

 開戦理由は秘密、秘密情報取得した人は逮捕起訴

 

自民・公明両党が7月15~16日、「戦争法案」と揶揄される安全保障関連法案を衆議院特別委員会、衆院本会議で立て続けに強行採決した。

(中略)

まさに民主主義の危機だが、その危機を拡大させるのが「特定秘密の保護に関する法律」(特定秘密保護法)の存在だ。防衛やテロ情報などを行政庁の長が特定秘密に指定し、国民への公開義務がなくなる。何が秘密かは秘密なので、ごく一部の人しか内容は知らされない。

 

 したがって意図しなくても、特定秘密を取得したとして突然逮捕起訴され、重罰に処せられる可能性のある法律なのだ

ちなみに、弁護士の強制加入団体である弁護士会も、極めて煽動的で偏った意見を出していました。

例えば、福岡県弁護士会の「その会話で逮捕されます!」など、果たして所属弁護士の総意なのでしょうか?


■検証記事

------------ iRONNA(月刊正論 2014年2月号)

 

みな「民主主義が死ぬ、戦争になる」などと挙って反対した。12月8日も、TBSテレビの「時事放談」で、与謝野馨元財務大臣が「スパイ防止法の流れを汲んでいるから嫌だ」と放言した。私は、最期までスパイ防止法の制定を訴えた警察官僚(弘津恭輔)の親族として公私とも理解に苦しむ。以下は法案に反対や懸念を表明した著名なマスコミ人の顔ぶれである。

 

 永六輔江川紹子大沢悠里大谷昭宏小川和久荻原博子金平茂紀鎌田慧川村晃司岸井成格佐高信佐野眞一澤地久枝高野孟田勢康弘田原総一朗津田大介鳥越俊太郎二木啓孝堀潤森達也吉岡忍吉永みち子

 

 ご覧のとおり、お馴染みのテレビ人が勢ぞろい。事実、どのチャンネルも反対や懸念の声であふれた。東京キー局で支持賛成したキャスターが一人でもいただろうか。テレビ常連のリベラル左派学者に加え、以下の有名人も反対や懸念の声をあげた。

 

 大竹しのぶ菅原文太野際陽子倍賞千恵子吉永小百合井筒和幸大林宣彦是枝裕和崔洋一周防正行高畑勲降旗康男宮崎駿山田洋次山本晋也小山内美江子鴻上尚史橋本忍平田オリザ、山田太一、坂本龍一高橋幸宏なかにし礼湯川れい子浅田次郎椎名誠瀬戸内寂聴村上龍(同前)。

 

 以上の声を伝えたのもマスコミである。マスコミ人が反対の声をあげ、不安を煽った。世論形成に与えた影響は計り知れない。

 

 放送法は「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」(第四条)を求めているが、そうした番組を見た記憶がない。前掲のとおり各局の執行役員から解説委員、看板キャスターらが勢ぞろいなのだ。ここで個々の番組を検証するまでもなかろう。

 

※ 関連検証記事
 特定秘密保護法反対論の不可解 マスコミの「知る権利」主張もブレまくり(2013.12.15)

 特定秘密保護法・マスコミのトンデモ報道に騙されるな(2013.12.20)