要約
中国に対する抑止力として最も効果を発揮しているのは、沖縄に駐留する米軍の航空戦力である。
日本侵略を実行するのは、中国人民解放軍の作戦立案者が「嘉手納航空基地に陣取る米空軍をさしたる障害でない」と判断したときである。
比較的冷静に軍事バランスや「抑止力としての在沖米軍」についてレポートしています。
ネットでこの記事を読んだ後、「この記事が朝日新聞の運営する The Asahi Shimbun GLOBE+ というサイト内に存在する」という衝撃の事実に気が付きました。
この記事のような客観的・現実的な分析が、朝日新聞紙面やテレビ朝日の報道に生かされていれば、バランスの取れた「公器」と呼ばれるのに・・・・
記事を書かれた北村淳氏は、警視庁公安のご出身で、ブリティッシュ・コロンビア大学にて政治社会学の博士号を取られた軍事社会学者です。
「ミリタリーレポート@アメリカ」というシリーズを連載されています。
------------------ The Asahi Shimbun GLOBE + 2018.10.11
なぜ沖縄に米海兵隊がいるのか 軍事的に考察する
(前略)
沖縄を戦略的要衝たらしめる嘉手納航空基地ならびに嘉手納を本拠地にする米空軍部隊こそ、日本侵攻を企てる中国人民解放軍の作戦立案者たちには「目の上のこぶ」なのだ。中国軍が対日侵攻を企てる際は、目障りな嘉手納航空基地に陣取る米空軍の戦力や動向を廟算(作戦立案段階で、勝てるか勝てないかを十二分に検証すること)し、さしたる障害でないと判断したら、対日侵攻作戦を実施することになる。大いなる障害になると判断したら、米海兵隊が言うように、アメリカによる大規模反撃の引き金になることを憂慮し、人民解放軍作戦家たちは対日侵攻を差し控えるのだ。
要するに、アメリカの911フォースとしての米海兵隊が緊急展開作戦に投入されるシナリオは多々あるが、沖縄を本拠地とする米軍部隊が対処することになる対日軍事攻撃、あるいは日本周辺での軍事紛争に話を限定するなら、抑止力として中国や北朝鮮に睨みを利かせているのは、在沖縄海兵隊ではなく、嘉手納航空基地の米空軍なのである。
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