オールドメディア (英語:old media) とは、
簡単に言えばインターネットに対する新聞、雑誌、テレビ、ラジオを指す言葉です。
日本の中では「フェイクニュース」を垂れ流し「報道しない自由」で情報統制を行う「信頼性に欠ける偏向報道媒体」という侮蔑を込められた意味で取り上げられることがあります。
ただし、蓄積された資本力により情報収集力や情報発信力は個人や新興メディアに対して遥かに大きく、その影響力は未だに無視できません。
戦前(第二次世界大戦前)から登場したラジオ
戦後(第二次世界大戦後)に爆発的に普及したテレビ
共通しているのは、
どれも資本力がないと情報発信できないことと、
日本では法律によって手厚く保護されていることです。
在京キー局しか全国放送が認められていないテレビや配信地域が法律によって定められているラジオはもちろん、再販制度の恩恵を受けている新聞や雑誌も、自由な価格競争に晒されている他の工業製品やサービス業務に比べれば、保護されているという表現は間違っては居ないでしょう。
強力な「金盾」のような情報統制を行っている共産党Chinaなど一部の独裁国を除いて、インターネットでは誰でもが様々な情報に触れることが出来ます。もちろん、誰でも自由に情報発信できるため、配信される情報は玉石混淆です。しかし、情報統制を行うことが困難な情報媒体(ニュースメディア)であるため、インターネットが登場する前であればオールドメディアの情報統制によって人々の目から覆い隠されていた「歴史的事実」が多くの人に知られるようになってきました。
※ Twitterの「#オールドメディア」まとめにも、様々な醜聞が寄せられていますね。
狂牛病化するメディア
------------ iRONNAより抜粋
メディア(マスメディア)の劣化が酷い。
いうならば狂牛病(狂メディア病?)=中身スカスカ状態だ。まあ、その原因はいくつかあるだろうが、インターネットの普及がその最たる要因であることは異論を挟まないだろう。ネット社会の出現によって、これまで普及していた諸メディアのコンテンツや機能が、ネットに奪われ、にっちもさっちもいかなくなっている。
もはや一般人は新聞を読もうという気も、雑誌を買おうとする気も、ラジオを聴こうとする気も、テレビを見ようとする気も、どんどんと失せている。
これらに積極的にアクセスするのは、インターネットリテラシーの低い高齢者だけだ。そこで、いわば「オールドメディア」は、苦し紛れに、こういった安定した視聴者、読者、リスナー層を確保し続けようと、コンテンツをどんどん高齢者向けにしていく。
(以下省略)
資本力のあるオールドメディアは、ネット上でも優勢
新しい情報ツールであるインターネット上でも、「巨大な資本力を背景した人海戦術をくりだしての情報収集が可能なオールドメディア」の情報発信力は、新興のネットメディアを圧倒しています。
インターネットビジネスで性交しているドワンゴの川上会長は、週間ダイヤモンドのインタビューで、明確に指摘されています。
------------------- 週間ダイヤモンド 2014.6.25記事より抜粋
「ネットはオールドメディアが圧勝」
川上量生ドワンゴ会長インタビュー
「今、紙のメディアがネット上でどう収益モデルをつくるのかが問われています。その中で、世界的にみても、日経さんがずば抜けていると思いますよ。あとは朝日新聞社。あらゆるネット系のメディアの中で、実際に勝っているのがこの2社だと思うのです。しかも、みなさんが思っている以上に、他と差がついていますね。
何が財産かといえば、日経さんでは毎月4000円を超える購読料金を払っている人が、10万人単位でいることです。
今、ネットメディアは無料モデルが席巻していると思われています。無料の方が記事は拡散しやすく、有料にすると記事が読まれないという認識があるからです。
ただ実は、有料記事でも拡散されている記事が目立ち始めています。これは重要なポイントですね。
日経電子版の会員数が50万人、100万人と増えたとき、世の中で話題になる発信源が有料記事となる可能性が大いにあるのです。
(中略)
ネットメディアというのは、相変わらずアービトラージ(さや抜き)モデルですよね。自分で取材しないで、他媒体のニュースを集めたり、そのニュースを見て記事を書いたりしています。ページビュー(PV)を集め、広告収入を得るというモデル。人件費を抑えることで運営してきました。
結果として、そういうメディアが多数でてきたために過当競争になり、市場が荒れ地と化しました。数十人レベルで影響力のある媒体はできましたが、そこから大きく成長したものはなく、成長の道筋もない。
このモデルって古臭いし、将来性がないのです。つまり、ネットメディアは、ビジネスモデルを作れていないと言えるでしょう。
それもね、このまま永続するモデルではないのです。結局、コンテンツを自ら作っているところが勝つと思いますよ。みなさん、勘違いしていますよ。本当に勘違いしている。新興のネットメディア対オールドメディアの勝負は、実のところ、オールドメディアの圧勝です。それを、わかっていない。
(中略)
――新聞社にとっては嬉しい言葉でしょうね(笑)。本当にオールドメディアの将来は明るいのでしょうか。
悲観することはないでしょう。世の中でなくなりそうな業態はたくさんありますが、ニュースメディアがなくなることはない。社会的な役割があるからです。
オールドメディアは、とても素晴らしいビジネスモデルをつくってきました。個別宅配の新聞にせよ、電波行政に守られた放送モデルにせよ。ただ、これまでと同じ収益を得られるかというと、そうとは限らないでしょう。
オールドメディアの弱点は、記者の給料が高いことです。これは今後、残念ながら是正されます。その後、再編が起きるかもしれませんね。
――中には、記事に記者のプロフィールを入れたり、顔写真を載せたりしてスター記者を生もうとするメディアも出ています。
それは、正しいです。これまで、そういうことをやってきませんでしたからね。記者のレベルって幅がある。本当に優秀な人から、……な人まで、かなりばらつきがある。それも、記事の匿名性で守られていたからだと思います。
それが署名となれば競争が働きます。淘汰も起こりますが、全体として、記者のレベルが上がると思います。
――原発事故直後、私も東京電力の記者会見に参加していましたが、ニコニコ生放送で生配信されていたため、その質疑応答を記者名と共にすべてメモ起こしをする人が現れました。会見が可視化されましたね。
ニコ生で記者会見の様子を配信するようになって、記者の質疑応答の様子が公開されました。すると、下手な質問をした記者は叩かれる。おこがましいかもしれませんが、それがオールドメディアのレベルを上げたのだと思います。
(中略)
そもそも、ニコ動の利用者は、月間利用者(ユニークユーザー)が約830万人います。有料会員であるプレミアム会員が約230万人です。これは、実際の利用者のうち4分の1が有料会員で占めていることになります。
投稿動画に付けられるコメント数の比でみると、有料会員によるものが、実は全体の5~6割に達します。つまり、ニコ動のコメントは有料会員が書いていると言えるでしょう。ヘビーユーザーこそが課金ユーザーになる可能性が高いとも言えます。
――無料でサービスが使えるのに、有料会員がサービス主体になっているということですね。
例えば、ライブイベントの「ニコニコ超パーティー」を視聴するには、3000円ほど払わなければいけない仕組みにしています。
これを無料にしたら利用者の人数自体は増えるかもしれませんが、全体の視聴時間は増えないと思っています。お金を払った人は最後まで見ますが、無料の利用者は、途中で見るのをやめてしまうからです。
しかも、ネガティブな反応を示すのも、無料の利用者の特徴です。有料の利用者はそうはならない。なぜかといえば、お金を払った自分を否定することにつながるからですね(笑)。」
「放送自由化」により、情報発信に対する規制を取り払い、資本力・情報発信力を持つオールドメディアを活かせるようにすることも、「国民の知る権利」を守る為に必要だと考えます。
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