番組の版権2 番組、youtubeに流れる。
・おさらい
テレビ番組の版権は制作会社にあるはずなのに実際にはあいまいなところがある。
テレビ局は、放映時に元を取った番組の二次利用で利益を上げ、あるいは上げようとしているという話でした。
・動画投稿サイト
インターネットに写真やデータを上げるサイトのことをアップローダーといいますが、youtube(ユーチューブ)は2005年、動画のアップローダーとしてスタートしました。当初はファイルサイズが制限されており、短時間、低画質の動画しかアップロード(データをネット上のサイトに上げること、「うp」「UP」ともいう。)できませんでした。サイトも英語のみの表示でした。
2006年にスタートしたニコニコ動画と合わせて、日本ではこの2つの動画投稿サイトがよく使われ、当初は版権無視で映画、アニメ・特撮、テレビドラマ、音楽ビデオ等なんでも上がっていました。
そのうち規制が厳しくなり、あからさまな映画やテレビ番組は数日で削除されるようになりました。
ところが、現在、パンドラTV(韓国)、デイリーモーション(フランス)をはじめ動画サイトは世界中にあり、youtube以外にUPし、ほとんど削除されないままの動画が実はたくさんあります。ただし、これらの動画を見つけるには「検索のコツ」が必要ですが・・
・テレビ番組のアップロード
ちょっと話がそれましたが、現在のテレビ番組とyoutubeの関係の話をします。
バラエティー動画
http://youtubeowaraitv.blog32.fc2.com/
というサイトがあります。見逃した、あるいはもう一度見たい番組をUPしてくれるサイトです。いつから始まったか記憶がありませんが2010年ぐらいからかな?と思います。ちなみにこのサイトはバナー広告で成り立っているようです。
ちなみに、このサイトはほとんどのテレビ番組を網羅し、削除されても要望すれば再UPしてくれます。他にも類似サイトは多数あり、慌てたのはテレビ局です。
これらのサイト、あるいは動画投稿サイトはサーバが海外にあり、日本の法律が適応できないので削除依頼も大変です。結局イタチごっことなり、投稿、視聴を止めることができませんでした。
夜中の地上波テレビ番組は通販ばかりですが、最近では、その番組で違法アップロードを訴えるCMが流れます。
https://www.j-ba.or.jp/ihoubokumetsu/
いっそのこと、違法アップロードを訴えるCMが流れる通販番組自体をUPしたら面白いかもしれません。版権違反どころか通販会社が喜ぶかもw
・無料配信ポータル
冗談はさておき、たまりかねた民放はTVer(ティーバー)という無料番組配信ポータルサイトを2015年から開始しました。
全番組ではありませんが、主な番組はUPされているようです。このサイトは放映終了後1週間のみ、CM付きですが無料で視聴できます。
しかもこのサイト、全国で視聴できます。地方局では放映が1~2週間遅れることも多く、TVerの方が先に視聴できたりします。しかも、広告収入はキー局へ。地方局にとってはありがたくないサイトです。地方局の反対を押し切って開始したのです。東京のキー局は番組のネット配信に積極的です。
皮肉な話ですが、違法アップロードのおかげでテレビ番組のネット配信ができるようになったといえるかもしれません。
・需要と供給のミスマッチ
さて、みなさん、CMが付いてるなら、民放の無料配信サイトがもっとあってもいいと思いませんか?
実は、ここに民放の商法が絡んでいるのです。
地上波の人気番組は、実は「再放送しない」ことで価値を上げているのです。ネット配信でいつでも見られるようならゴールデンタイムの高視聴率は維持できません。TVerが1週間しか視聴できないのはこのためです。
テレビ番組の違法アップロードは「見逃した番組が見たい、東京の番組を見たい」というニーズと「放送局の商法、利権」のミスマッチが生んだニッチ商売なのです。
次回は 第2部 放送局の現状9 新たな配信、新たな商法 です。
・おまけ 地方局物語 (5).音響研究所
今回は「音響研究所」です。
創業?当時の放送局はいろいろなことをやっていたようです。
父の話では、スピーカーやテープレコーダーのヘッドを自作、他の局へ売ったりしたこともあったそうです。
そんな時代、とある地方局には「音響研究所」という部署があって、いろいろな「音」を採りに行き、ラジオで流したそうです。
あるとき、秋保大滝の音を放送する時、急な斜面を降り、滝の近くで録音終了後、飯ごう炊さんをして帰ってきたそうです。まあ、滝の水音をラジオで流してもウケるとは思えませんが。
またある時は、愛子(あやし)の畑でモグラの鳴き声の録音に挑戦、結局失敗したもののスプーンか何かでコップか何かをひっかき、その音を録音して「モグラの鳴き声」として流したそうです。その後、この鳴き声は「放送何とか賞」に選ばれたとのことでした。
そして、その研究所は、ある年、予算がつかなくなって廃止されたとのことでした。
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